あわび大船煮、漬け金目鯛の握り寿司

冬こそ行きたい、伊豆。掛け流し温泉と美味い地魚はなんと言っても魅力的だ
冬の寒さに蓄えて脂がのった地魚は、言わずもがなどれも絶品

温かい先付け、雲子の湯葉餡掛け


柔らかな口当たりと滑らかな食感
雲子はクセがなくうま味が地味深い
雲子は鱈の白子で真冬に最も美味いとされる
先付けを頂いて、今日の献立に期待が高まる


朱塗の梅花に盛られた八寸


づけ金目鯛の握り寿司、伊東産突きん棒漁で漁れたなまこのみぞれ和え、菜花芥子和え、黄身そぼろ、燻鮭の砧巻き、干し柿とクリームチーズの博多押し、鮑の大船煮枡盛り
節分をイメージした一品ですと総料理長
八寸は料理人の発想のセンスが活きる一皿だと思う



大船煮は貝と大豆を一緒に煮たものを言うそう
大豆と一緒に煮ることで貝は柔らかく、豆は旨味が染み込む
噛み締めるほどに素材の甘みを感じる



真冬の金目鯛は高級魚と言われている
特に大島近海で一本釣りされる地金目はブランド金目鯛とされる
刺身はもちろん、焼き霜造りの寿司も定番だ
なんと、今回は漬け金目鯛の握り寿司
金目鯛本来の甘みが増し、コクが増す
刺身も良いが、ひと手間かけた肴が酒飲みを唸らせる



中猪口 自家栽培甘夏と天城山葵のソルベ




焼物 鰆の西京漬け奉書焼き
寒鰆は脂がのっていて、今、まさに旬を迎えている
青い魚と思えないほど上品な味わい
日本酒とよく合う


この後、桜海老の炊き込みご飯と法蓮草の摺流し、デザートと続く


真冬は温泉のある宿に訪れたい

上空では木枯らしが吹いても、森の中に位置する花吹雪の敷地内はすっと風が通る程度
豊かに湧く掛け流しの湯のせいか、梅と桜が同時に咲く
いつも優しく迎えてくれて、友に寄り添うような接客
もう春の気配さえ感じる和のオーベルジュで心まで温かくなる