花吹雪から車で8分。知る人ぞ知る散策コース「池」。 「池」と言っても池があるわけではなく、以前は池だった盆地の地名が「池」。 4000年前に大室山が噴火して、流れ出した溶岩が深い渓谷に流れ込んで堰き止め、カルデラ湖ができた。今は静かな田園地帯であるこの地域は、かつて一面池だったという。
生涯学習センター池会館にマップが貼り出してあるので、写メしていくのがオススメ。 裏手の駐車場から川沿いの小道を歩いて、ぐるっと一周できる。歩くだけなら小一時間だろうか。観光スポットというわけでもなく、地元の人たちに親しまれているこの散策コースは鳥の声や虫の声が聞こえてなんとも長閑だ。
池水を抜くために排水路を掘り、開墾して田んぼにしたという水路と水門。
上皇陛下が散策に訪れて植樹した記念の大島桜。
赤蜻蛉が舞う田園風景はなんでもないようで懐かしく、踏みしめる畦道の感覚が故郷の遠い記憶を思い起こさせるよう。オオバコ、イヌタデ、シオン、ミゾソバ、ススキ、ハトムギ・・・。こんな野草も普段は目にしなくなった。
散策コースは、案内塔の「さくらの里」方面へ歩き池の奥まで行って帰ってくれば1時間、「菖蒲園」へ行って30分ほど。田園の真ん中くらいから大室山がよく見える。
池地区までは車でなくても、伊豆高原駅から東海バスが出ているのでバスを利用してもいいだろう。初秋の風が心地よい散策だったが、秋が深まれば紅葉も楽しめそう。何より大島桜の記念樹が満開になる頃にもう一度訪れたい。