伊豆高原は国立公園の森林と相模湾の海を見下ろす風光明媚な土地柄。実はとても風通しが良い地域で夏は涼しく感じられる。冬は温暖であるため、雪も降らず、一年を通じて過ごしやすい。
別荘感覚で花吹雪を何度も訪れるうちに風景に安心感を覚え、馴染みのカフェができ、親しく話す。ふと定住はどうかと思うことがある。
都内へは1時間40分ほどのアクセス。在宅でのリモートワークと通勤のバランスを取れば十分可能だ。満員電車に押しつぶされることなく、車内で朝食。なんてこともできる。
常宿の主人に聞くと「実はうちの従業員も移住者が多いのです」という答えが返ってきた。どこからの移住が多いのか尋ねてみると
「特に長野県からが多く、青森からという者もおります」
「海、山、自然が多いこと。雪が降らない穏やかな気候が魅力なんでしょうね」
近隣に新しくレストランやカフェを開業したり、マルシェなどのイベントにも昔からの地元住民ではなく、移住して来た人たちがコミュニティを作って参加し、活動しているそうだ。
国土交通省の首都圏白書2024年度版によると20代の44.8%に地方移住に関心があることを明らかにした。子育て世代の若者が田園回帰の傾向にあると言えるのかもしれない。
隣の市町に比べると、別荘地として開発された伊豆高原は移住者を受け入れる気質がある。おおらかで温かい人柄もその一つであろう。