倶楽部ハウスで夕食の席に案内され、席に着くとその日の「長七お献立」が置かれている。これからいただく料理が記されているメニューを確認するのも楽しみのひとつ。大切なおもてなしのペーパーアイテムだ。先付から始まる献立を目で追うだけで今日のお酒が美味くなる。そんな気がする。 何度来ても、季節の素材、地物の魚を使った手の込んだ料理に驚く。素材の味を知り、常に新しい料理を探求し続ける調理長には訪れるたびに楽しませてもらっている。
食前酒 黒文字酒
黒文字の香りを活かした清涼感のある食前酒
先付 蛤とうどの湯葉がけ 振り柚子
湯葉はムース状のソースになっていて、さっぱりとしながらも奥深い美味しさ
蛤の旨みと独活の爽やかな風味と食感が春から初夏へと移りゆく季節によく会う
今日は白ワインを合わせてみた。最近、花吹雪はワインのラインナップもなかなかいい。グラスでいただけるフォルタン・ド・フランス・シャルドネ。厚みのある辛口の白。フルーティな香りに程よい樽香がする。
八寸
昆布〆金目鯛の粽寿司 鮑の味噌炊き 子鮎の南蛮漬け 蛍烏賊と破竹の木の芽味噌掛け 鯛子寄せ うるいと木耳のせ
空豆の艶煮
御造 アオリイカと真鯛、鰹土佐造り
甘味のある地元のアオリイカは歯応えがあり「イカの王様」カツオは自家製のポン酢ジュレといただく。
煮物 海老真薯 百合根
素材の美味しさを活かして、あっさりとした塩味。蒸し暑い今日のような日にはぴったりの煮物。
焼物 静岡県産鰻の白焼き 炭火仕立て
鰻本来の旨みを楽しむなら白焼。柔らかく、ふっくらした鰻を天城の山葵で頂く贅沢さ。
御飯・留椀・香の物
御飯は山葵田で育った紅姫あまごの炊き込みご飯。体色も美しい渓流の女王あまごを、炊き上がりにほぐしてご飯にさっと混ぜ込んである。清流に住み、時間をかけて成長する「紅姫あまご」は味わい深い。留椀は春きゃべつと豆乳の摺り流し。
今夜は別館・万葉の棟、「月の船」
雨音を聴きながら万葉のロマンに想いを馳せよう