花吹雪の新しい宿泊棟「万葉の棟」特集

5月にオープンした別館・万葉の棟は、倶楽部ハウスと道を挟んだ向かい側の森の中に佇む宿泊棟。低木から高木まで豊かに茂る小さな森は、小鳥の囀りと、木漏れ日の温もりが心地よい。木立を抜けていく径には、染井吉野、山桜、紅葉など四季を楽しめそうな木々。柔らかい光を浴びて芽吹く新芽。緑の濃淡が彩る青葉若葉。



万葉の棟は3室「天の海」「月の船」「星の林」
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ

夜空を詠んだ柿本人麻呂のなんともロマンチックな和歌。華やかで豊かな万葉の時代へと気持ちを誘うよう。



部屋は全室ベッドの上質な和モダン。スタイリッシュな大人ふたり用のゲストルーム。 直線の美しさの中にラタン家具の自然な優しさと曲線が穏やかな空間を演出している。シンプルだからこそ寛げる。奥行きの深いソファは身体を包み込むようなフォルムで、気持ちよくうたた寝。




部屋から眺める森の木々だけでなく、デッキはもちろんだが、プライベートな前庭に降りて森に隣接する開放感を感じながら、庭で珈琲を・・。そんな楽しみ方もできる。リゾートというよりも別荘感覚である。 吸い込まれるような深い森と、モダンな室内との間に流れる風や空気をゆったりと感じながら過ごすラグジュアリーなひととき。




殴りの床材

部屋にあがる時にまず驚くのは床。木の表面を職人の技術で加工した「殴りの床」は無垢材の個性を一層引き立たせている。料理で言うなら隠し味とでも言おうか。素足で歩くとさらりとしてとても心地よい床だ。



花吹雪は5000坪の伊豆高原の森に宿泊棟が点在している。能楽のイメージの白翁棟、日本の伝統色で各室コーディネイトされた日本の色棟、歌人の名がついた風姿棟、地下に2つのお風呂がある、森のうさぎ棟。そして新しくオープンした万葉の棟。各棟、趣が違って楽しみ方も人それぞれだろう。


露天「ひさかたの湯」、「ぬばたまの湯」

万葉の棟に併設している2つの露天風呂も貸切温泉。白い玉砂利を敷き詰めたプライベートな庭が贅沢なほどに広く、上品で高級感ある雰囲気をさらに格上げしている。



「ひさかたの」は「天」をはじめ、「空」「月」「雲」「雨」などの言葉にかかる枕詞。
ひさかたの光のどけき春の日にしづこころなく花の散るらん
誰もが知っている有名な和歌。作者は紀貫之の従兄弟、紀友則。柔らかな春の日差しの中を桜の花が散りゆく様を詠んだ歌。


「ぬばたま」は緋扇の黒い実のこと。「髪」「黒」「夜」などの言葉にかかる枕詞。
あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも
飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂の詠んだ歌。
あかねいろに日はさすけれども、草壁皇子が月夜を渡るように隠れてしまったことを嘆き悲しんでいる歌。


花吹雪には、9つの貸切温泉があり、どの部屋に宿泊しても全ての温泉を利用できるのが嬉しい。