イースターバニーと森の赤いうさぎ

近年日本でも認知度が上がってきている「イースター」。4月になるとスイーツ店では、たまごの形をしたチョコレートやウサギの形をしたクッキーが売られていて、とても可愛らしくなんとなくウキウキする。カラフルなイースタエッグ作りやエッグハントなどのゲームを取り入れて春のイベントを開催しているところもあるよう。


そもそもイースターって?

「イースター」はキリスト教では最も重要なお祭り「復活祭」のこと。十字架に架けられ命を落としたイエス・キリストが3日目に復活したことを記念するお祭り。春分の日の後、最初の満月の翌日曜日となっていて毎年のように日付が変わる。今年は4月12日。



欧米などキリスト教国では国によって食習慣や風習など異なった文化がみられる。ゆで卵を食べることは知られているけれど、新しい命が生まれるという意味で卵が使われるのだとか。卵の殻に彩色して飾ったり、お互いにプレゼントする習慣もあるそう。いつしか卵の殻の中にチョコレートを詰めるアイディアが登場して、卵型のチョコレート菓子が人気になったということらしい。



卵を届けるイースターバニー

卵ともう一つ、イースターのシンボルとなっているうさぎ、イースターバニーは卵をバスケットに入れて届けてくれる役。洋服を着た野うさぎが卵入りのバスケットを持って良い子のところに届けてくれるなんて・・。まるで絵本の世界のようですね。



ビアトリクス・ポターの児童書、「ピーターラビット」を連想する人も多いのでは。ピーターラビットの故郷はイギリスの北西部にある湖水地方の森。イギリスで一番美しいと言われるほど豊かな自然に恵まれたところなのだとか。


不思議の国の白うさぎ

洋服を着たうさぎが登場する児童小説「不思議の国のアリス」も世界中で愛されているお話。時間を気にしながら急いでいる白うさぎを追いかけて不思議の国に迷い込んで行くアリスのストーリーは、とりとめのない物語で突拍子もないことが次々に起こる。この理解しがたいようなお話は、作者が小さい子どもにせがまれて即興で話して聞かせたのが元で、全てアリスの夢の中の出来事だった。と言うと実に納得ができると思う。夢の中はとりとめもなく、有り得ない展開が目覚めるまで続いていくもの。ワンダーランドなのだから。「不思議の国のアリス」を楽しむには作者、ルイス・キャロルが物語に散りばめた、言葉遊びや童謡、ばかばかしい詩の背景を知るとより楽しい。



森の赤いうさぎが運んでくるもの

城ヶ崎の森にはクロモジの花が咲いている。森に抱かれた別荘宿でイギリス文学を楽しみながら、あれこれ思い巡らせていると、人も自然の一部だという感覚になっていくよう。



森のうさぎは進化してだんだん耳が長くなって赤いうさぎになるそうだけど、赤いうさぎもきっと吉報を運んできてくれるに違いない。畳にゴロンとなりながらワンダーランドへ行くとしようか。赤いうさぎを追いかけて。