赤いうさぎの森、源泉100%掛け流しの湯。

この冬一番の寒波が訪れて札幌は-12度だという。東京も雪がちらほら。スーパービュー踊り子号に飛び乗り2時間強で着く城ヶ崎の隠れ宿は、河津桜が7分咲きという知らせ。車窓から眺める相模湾は曇り空。少し風が強いようだ。

 


宿の玄関先では、今年も中紅いろの可愛らしい春花のお出迎え。少しグレーがかって見えるのは春曇りのせいかしら。今年の見頃は20日ごろだそう。

 

黒文字の香りに包まれたクラブハウスのウェルカムティーで一息ついた後、まずは汗を流すとしよう。敷地内に点在する7つの貸切り風呂。さて、どこのお風呂から入ろうかな。

 


源泉100%の掛け流しの温泉に浸かれば、まるで溶けていくように身体が解れていく気分。ミネラルたっぷりの優しいお湯が、皮膚から凝りや疲れを取り去ってくれるのだろう。
極楽、極楽。夕食までの間は、部屋で森を眺めながらのんびりするも良し、お風呂のハシゴも良し。

 

夕食は四季を楽しめる 長七コースを熱燗で頂く。至福の時。
温かい先付は、冬場の心遣い。和食ならではの美しい八寸、お造りと山の幸、海の幸に舌鼓。

 

中猪口は自家製の甘夏と山葵のソルベ。やわらかい甘酸っぱさにピリピリと香る山葵が絶妙。器とスプーンもまたいい。
こういう箸休め的な中猪口ですら手を抜かない。最初から最後まで料理人の心意気を感じながら、箸が進んでいった。

 

 

宿泊だけでなく、お昼も楽しみたい。 そんな願いも叶えてくれる。この時期、とっておきの食材といえば「地キンメ」ではないか。首都圏では高級料亭以外、まずお目にかかれない逸品。

 



その地キンメを使った箱寿司。そして金目鯛と言ったら煮付け。脂ののった寒い時期の地金目はこっくりとした深い味わい。4月16日までの幻のメニュー。

 

【河津桜まつり情報】
恒例の河津桜まつりは、2月10日から3月10日の1カ月。
河津七滝方面から河津浜海岸へ向けて流れる河津川沿いには、約4kmにわたって桜並木が続く。土手は遊歩道になっており散策できる。満開を迎える頃には菜の花も咲く。ピンクと黄色と黄緑色の美しい風景を楽しめる。夜はライトアップされるので、宿を取り夜桜見物もおすすめ。河津町内では様々なイベントが催され、地場産品の販売も行われる。

 

【金目鯛】
金目鯛の水揚げ日本一は下田港。真っ赤な高級魚として知られる金目鯛が最も美味しい季節は、12月頃~2月と言われている。鯛と名が付くが鯛の仲間ではなく深海魚で成魚になると水深200m~800mに生息する。刺身、焼き、煮付けにしても美味しい。金目鯛は、釣れる場所によって呼び名が違う。南伊豆エリア、稲取や伊東で揚がる「地キンメ」は最高級と言われ、漁師が一本釣りをしてくる金目鯛のこと。脂ののりも良く、味も濃いまさにブランド金目。神津島から八丈島の周りで釣れるものを「島キンメ」といい漁師が日帰りで釣ってくるので 「日戻りキンメ」ともいう。主に50トン級の大型船が沖合へ遠征して数日かけて漁をしてくる「沖キンメ」地元のスーパーにも並ぶ。