山笑う芽吹きの季節、別荘のように寛ぐ
こごみ、山うど、蕗の薹。山々からの贈り物。
決してメインではないけれど、旬を彩る大切な脇役。

今夜も料理長のセンスが光る創作料理に舌鼓。
まるでコンサートの選曲のような料理の流れは、一曲目の先付けでその日のテーマを感じさせる。

春蘭

蕗の薹チーズ

蕗の葉煮
華やぐ季節の演出、そしてメインへと誘う。名脇役の山菜が地味溢れ、また驚きを生む。


森の中に点在する離れは、人目を気にすることもなくゆっくりと過ごすことができる。
自然に抱かれるのが一番の癒し。
黄緑の若葉がそこここに ちょっと恥ずかしそうに顔を見せている。なんとも可愛らしい春の知らせ。


今夜の部屋は花吹雪別荘うさぎ棟の「勘助うさぎ」

この部屋の好きなところは、なんと言ってもロフト。いたずら心がわくわくとしてくる。

屋根裏の隠れ家みたいな部屋にもぐりこみ、文豪気分で日がな書き物などしてみる。

清水へ祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢ふ人みなうつくしき 
与謝野晶子


歌人たちが愛した伊豆。歴史に思いを馳せながら、窓の外に目をやる。


眺めはどこも、切り取った一枚の絵のよう。


オオカンザクラが満開と聞いて早速出かけてみる。

河津桜の次に咲くオオカンザクラは城ヶ崎駅から135号線に向かって道沿いにおよそ200本の並木になっている。
なかなかの見応えにホッとため息がでる。

中紅の花がやや下向きに咲くのが特徴だそう。
見事な枝ぶりの樹の下で家族連れがスマホのシャッターを切っている。
ほのぼのとした春の記念の一枚となろう。
幸せのおすそ分けを頂いた。

空色と中紅のコントラストが鮮やかで清々しく、こころも晴れ渡る気持ちになった。
あと1週間もすれば染井吉野が開花するそう。
3月23日から「伊豆高原さくら祭り」が始まる。
伊豆急 伊豆高原駅を降りると凡そ600本の染井吉野の桜並木が春爛漫を迎える。賑やかな季節だ。




帰って来ると、料理長が森の園に山菜を採りに行くというので同行。


創作料理にあしらう山菜や季節の彩りを自ら確かめながら摘み取る。
森の園は宝物がいっぱい。