和ハーブ、黒文字の香りはココロの奥底へアクセス

高級な楊枝として知られる黒文字。茶事の主菓子に添えられて、菓子切りや強肴の取り箸などに用いられる。茶道のお稽古を嗜む人には身近かなもの。樹皮を一部残して枝を角形に削って先を尖らせた大ぶりの楊子は流儀や菓子器によって寸法や使い方が異なるそう。爪楊子としてだけでなく黒文字の精油は独特の芳香と薬効があり、日本では石鹸や化粧品の香料として利用されてきた。

「黒文字」名の由来

クスノキ科の落葉低木で、樹皮に香りがある「黒文字」の名は、樹皮に黒い斑点模様があり、それが文字に見えるのでその名がついたとされる。日本古来の風習では猟の獲物を神に供える際に黒文字の枝に挟んで供えた神祭りの木でもあった。

日本では本州、四国、九州の山あい、太陽光が木々の間から地面までまばらに差し込むような雑木林に自生していて、成長すると2〜3mの高さになる。枝を折ると爽やかな芳香がして、噛むと甘い香り。口の中が爽やかになって手軽なリフレッシュ効果が。そうした習慣は山を歩く人たちや山に暮らす人々に親しまれてもきた。3月〜4月ごろ淡い黄色の可愛らしい花を咲かせる。

クロモジと養命酒

クロモジは、別名「ウショウ」(鳥樟)とも言われ、幹や皮から生薬が取れる。薬酒、「養命酒」の原料として使われており民間薬として親しまれてきたものの一つと言える。

ウショウ|「生薬」と「薬酒」のなるほど辞典|養命酒製造株式会社

 

外用では枝葉を刻んで浴用にすると、身体を温める高価があるので、神経痛、肩こり、冷え性の改善、湿疹の鎮静に効果を発揮する。花吹雪にも黒文字の湯がある。

黒文字の枝葉に含まれる成分と効能

シネオール
炎症止め、痛み止め、咳止め、白血病細胞を殺す。香り成分はユーカリやローズマリーなどにも含まれるスッキリと爽やかな香り。オーラルケア製品や食品添加物としても使われる。

 

ゲラニオール
抗菌、抗カビ、保湿、皮膚の弾力回復、美肌成分、香り成分はバラの精油に含まれる成分としても有名。薔薇の香りはクレオパトラやマリーアントワネットなど王妃が愛した華やかでコクのある甘い香りで香水の原料として使われることが多い。

 

リナロール
鎮静効果、抗不安効果、抗菌効果、香り成分ローズウッドの香り成分で香水・シャネルNo5の原料でもある。

ココロとカラダの疲れを癒す希少な精油

16キロの枝葉から採れる精油はわずか20mlという貴重なエッセンシャルオイル。ウッド調の落ち着きのある香りに加えて、深みのある甘いフォローラル調の香りがあいまったバランスの良さが魅力。上品で高貴なイメージをもつ穏やかさと和ハーブの特徴である繊細さも持ち合わせていて、男女共に人気が高い。

疲れた心へ直接アクセスするクロモジの香りはどこか懐かしく、心が落ち着く。自分でも意識していない心の奥底に閉込めたストレスから解放してくれるよう。やがて深い安心感が全身を包んでくれる。カラダへの働きはホルモン調整と免疫力アップに優れたパフォーマンスが期待できる。風邪予防やスキンケアにも活用したい。

花吹雪、そこかしこで黒文字の香り。さてどこにある?

花吹雪のテーマ香「黒文字」。どこにあるのか探してみてください。伊豆地方では天城の山に自生する黒文字のオイルを生活に取り入れてきました。


詳しくは、黒文字のページへ

1. お風呂にシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープ
2. お部屋のトイレに消臭剤として黒文字ミスト
3. 売店にエッセンシャルオイル
4. チェックインの時に出してくれる「森のお茶」の中に
5. お食事にクロモジ漬け
6. 黒文字の湯
7. うさぎの森に自生している

クロモジの使い方、私流。

黒文字ミスト
花吹雪のトイレに消臭剤として置いてある黒文字ミスト。我が家では冷蔵庫の中に。クロモジの精油を蒸留抽出する時に採れるハーブウォーターを頭から、顔からシュッシュッとかけて使っている。ひんやりした甘い木の香りに気分もたちまち爽やかになる。

黒文字エッセンシャルオイル
花吹雪で蒸留抽出している精油。高価なオイルはもっぱら芳香浴に。花吹雪で購入した黒文字の砂岩のアロマストーンに数滴垂らして楽しむのが常。1日の疲れをほぐして豊かな眠りへと誘ってくれる。